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メコンデルタ地方ハウザン省ガーバイ町タンタイン村は、数年前に貧困の村から裕福な村へと変身した。今では1人当たりの年間平均所得は2500万ドン(約12万6000円)を超えている。町の共産党委員会の幹部でさえ、最初の報告を受けた時は半信半疑だったという。オレンジ栽培のおかげだ。
車で村に向かうと、道はコンクリート舗装され、道の両側には新築したばかりの住宅とオレンジの果樹園が代わる代わる現れる。案内してくれたオレンジ農家のグエン・ヒュー・フオックさん(59歳)は、3ヘクタールの敷地で7000本のオレンジを栽培している。収穫後のコストを除いた利益は1ヘクタール当たり8億ドン(約402万円)に上る。フオックさんは6年前に栽培を始め、毎年20億ドン(約1010万円)以上の利益を上げている。「オレンジのおかげで夢見ていた住宅を建築できました」と話す。
タンタイン村は町の中心部から10キロも離れていないが、10年ほど前には荒野同然だった。経済発展から取り残され、道はぬかるみだらけで移動は小舟に頼るような場所だった。村民はマンゴーやザボン、サトウキビなどを栽培していたが、虫害や洪水で収穫できなかったり、逆に豊作で買い叩かれたりしていた。