(C) baodatviet. ボー・グエン・ザップ将軍 |
ベトナム戦争では、南ベトナム解放民族戦線を指揮し、1975年のサイゴン陥落で米軍に勝利。改めて戦術家としての力量を世界に知らしめた。戦後は国防相や副首相などを歴任し、1991年に全てのポストから退いたが、勇退後も軍の長老として政府に意見するなど、強い影響力を持っていた。
また、対米関係の改善にも意欲を示し、1995年にはかつての敵であるマクナマラ元米国防長官と会談、ベトナム戦争激化のきっかけとなったトンキン湾事件について話し合い、話題になった。なお、米タイム誌アジア版は2006年の創刊60周年記念号で「アジアの英雄」を特集し、ベトナムからザップ将軍を選出している。
2010年からは体調が悪化、足が不自由になるなど寝たきりに近い状態となり、入院生活を余儀なくされていたが、2011年の満100歳の誕生日には、ベトナムの各地から訪ねてきた同胞らにしっかりとした口調で謝辞を述べ、元気な様子を見せていた。ザップ将軍は「救国の英雄」として今なお語り継がれる存在であり、国民からは勇退後も「将軍」と呼ばれ続け、尊敬を集めていた。