(C)Dan tri、バクザン刑務所の死刑囚 写真の拡大 |
人が経験する身もだえするほどの苦しさの中で、死刑執行を待つ死刑囚の味わう苦しさは恐らく最大レベルのものに違いない。2011年に刑法が改正され、死刑の執行方法が銃殺刑から薬殺刑に変更された。しかし致死薬の調達が困難なため、処刑待ちの死刑囚があふれる状態になっている。
刑務所の中には、死刑囚の数が規定された収容人数の倍を超えている所もある。複数の死刑囚が「やるなら今すぐやってくれ。なぜこんなに引き伸ばすんだ」と叫び、怒りのあまり自分の糞便を刑務官に投げつける女性死刑囚もいる。
2011年に公布された薬殺刑の執行方法を定めた政令82号/2011/ND-CPでは、使用する薬剤を3つに限定していたが、2013年の改正政令47号/2013/ND-CPで薬剤の制約がはずされたため、調達しやすくなった。この政令は6月27日に施行され、どの死刑囚が最初の薬殺刑の対象になるかが注目されている。
東北部バクザン省警察の刑務所では、26人の死刑囚が毎晩、自分は明日太陽を見ることができるだろうかと思いながら、息を止めるようにして朝を待つ。麻薬の違法取引で死刑判決を受けたシー死刑囚と彼の愛人だったゴック死刑囚は、10年近くこの刑務所に収容されている。2人も早期の執行を望んでいる。しかしゴック死刑囚は美人だとしてもてはやされていたこともあり、“女王様”を気取っている。「タオルにはバラの花模様がないとダメ」、「部屋を替えろ」、「刑務官を交代しろ」などと要求するという。