(C)Lao dong、若き日の初期隊員 写真の拡大 |
別働隊は海洋学研究所に出向いて潜水用具を借り受けて自ら調査、網にごみが溜まり過ぎて水の流れが滞った状態でタービンが回っていたことが原因と判明した。プロペラに挟まった木材を小さく切断して事故を乗り切った。彼らはこれを「ウオーターゲート事故」と名付けて教訓にしている。
彼らの仕事は人々の生活を支える電力を守るという重要なものだが、小さなミスでも命を失う恐れのある危険な仕事でもある。そのためもあってか、別働隊には発足から20年間で2人しか新人が加入していない。初期隊員の年齢が上がっており、このままでは解散という事態になりかねない。彼らは本格的に人探しを始め、2011年4月に海軍司令部の協力を得て20歳過ぎの若者2人を採用した。
ディン・ホン・クアンさんとカン・バン・トアンさんの2人のベテラン隊員が指導に付いた。2人の新隊員は卒業試験で深度57メートルの潜水に成功した。クアンさんは2人の成功を自分の事のように喜び、「自分の長い経験の中でも最深記録は61メートルだが、2人は今日、自分の記録にほとんど並んだ」と言って称賛した。
クアンさんと新隊員は昨年末、バディを組んで東南アジア最大規模となるソンラ水力発電所の竣工前のダム検査を行った。クアンさんは感無量の様子で「もう引退しても悔いはない」と語った。