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我々は次なる目的地、広東省へとバスで向かった。リンコン町ではたくさんの売春宿がひとところに集まり、歓楽街を形成している。ホテルに行く金のない客は、床屋やマッサージ屋がひしめく通りに行く。朝の7時だというのにきれいな若い娘たちが着飾って客を待っている。ここにいるベトナム人女性の殆どは騙されて売られて来た。散々働かされた後流れ者となった彼女たちは、もう厳しく管理されているわけではないので、故郷に帰ることもできるはずだ。しかし、彼女たちの中には売春を仲介する側に回った者もいる。
グエン・ティ・トゥ、背が高く、すらっとした肢体。肌は真っ白で澄んだ瞳の17歳の少女もまた、信じがたいことだがこの地獄に1年近くもいるのだという。3人の友人とともに騙されて連れてこられた。トゥは店では「高額商品」で、特別な客にあてがわれている。50そこらの店の女主人もかつて同じように連れてこられた身だ。
店は歓楽街の真ん中ぐらいに位置し、ベトナム語で「床屋」の看板を出している。トゥたちは朝の7時から淫らな服装で客にマッサージを施し、その部屋の傍らにある別室で客に体を売っている。
客の相手をした後、彼女たちは客から報酬をもらうが、すぐに女主人に収めなければならない。トゥのような若くて美しい少女は一日に40人もの客を取らなければならない。平均して一人の客に30分、寝る時間も汗と涙で汚れた化粧を直す暇さえもない。そうして女主人は足を組んで座っている間に、数千万ドンを稼ぎだすのだ。