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彼女は19歳の時からニューロマイエリティス・オプティカ(視神経脊髄炎)という病に侵されている。この病気は、文字通り視神経や脊髄が炎症し視力が次第に失われていくという難病だ。最悪の場合は失明に至る。
彼女の場合、初めは片方の目から悪くなり始め、やがてもう一方の目も侵されていったという。幸い完全な失明には至らなかったものの、視覚に頼ることが出来なくなったため、次第に目以外の方法で「視る」ことを覚えていった。今では、日常生活の殆どを自分だけで出来るようになり、日常的な料理なら誰の助けも必要とせずに1人でこなすことが出来るようになった。
「私が料理をする時は、舐める、嗅ぐなど視覚以外の感覚にかなり頼っています。」彼女は以前ピープル誌のインタビューでそう語った。「肉の焼け具合を見るのには手で感触を確かめたり、専用の道具を使ったりしています。食材の状態を目で見ることが出来ないのは確かに不便です。嗅覚や触覚を研ぎ澄まして確認しなければなりません。材料を切る作業も慣れるまでは大変でしたが、もともと器用だったこともあり、手を切ったことは1度もありません。そして、私は自分の視覚障害を料理人としてのハンディキャップとは思っていません。たとえ目が使えなくても、大勢の人を感動させられる美味しい料理を作ることが出来ると信じています。」