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同氏はコーヒーの都である中部高原地方ダクラク省に生まれた。とはいえ、初めからコーヒーショップの経営者を目指していたわけではない。大学は地元の有名な医大に入学。しかし、大学3年生のとき、自分が医者になりたいわけではないと気づいたという。時代はドイモイ政策(刷新政策)の最中、ベトナム社会が急速に変貌を遂げていく激動の中にあった。
そして、同氏は小さなコーヒーブランドを立ち上げた。初めは自転車で、その後はバイクで、コーヒーを売って回る日々が続いた。それが15年後には3000人以上の社員を抱える大企業「チュングエンコーヒー」に成長した。
国を代表する指導者たちとの会談の中で、同氏は「ベトナムをただのコーヒー原産国に留まらせてはいけない。焙煎、加工、輸出までを一貫して行うことが出来るコーヒー大国となる必要がある」と進言した。
また同氏はこうも語った。「私はよくベトナム人の国民性を語るとき、亀と龍の例えを用いる。亀は堅実、勤勉な動物、龍は幸運の象徴で、恐れることなく邁進する。全てのベトナム人はこの二面性を持ち合わせていると思う。しかし、夢見ることを恐れて、何が果たせるというのか。行動なくして何が得られるというのか。チュングエンの役割はベトナムの龍となることだ。」