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[特集]

ベトナムのコーヒー王、「チュングエンは邁進する龍となる」

2012/08/26 08:25 JST更新

(C) Vnexprss
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 コーヒー大手チュングエンコーヒーのダン・レ・グエン・ブー社長は、ビナミルク[VNM]のマイ・キエウ・リエン社長と共に、世界的な経済誌フォーブスに讃えられた数少ないベトナム人経営者の1人だ。フォーブスの記者はこの「ベトナムのコーヒー王」にインタビューするため、120頭の馬を飼育しているという高原の別邸に向かった。  同氏は先日、ハノイ市で首相や農業農村開発相とベトナムのコーヒーに関する戦略を話し合ったという。同氏はベトナムや近隣諸国のコーヒー農家が貧困に喘いでいる現状を報告した。「ネスレやスターバックスといった大手企業が利益の殆どを持って行ってしまうため、20ドル(約1580円)のコーヒーを売って、彼ら(コーヒー農家)が手にするのは1ドル(約79円)にも満たない。」  「この状況が変わらないのはなぜだろう?」同氏は自問してきた。チュングエン社は現在60か国にコーヒーを輸出しており、米国や中国の市場にも浸透してきている。しかし、同氏は数十億ドル規模が動くコーヒー産業において、ベトナムはもっと販路を広げることができると確信している。  同氏はベトナム人には商魂が根付いていると考えている。「富める者が増えなければ国力は強まらない。」 2011年、チュングエン社は売上高1億5100万ドルを達成し、今年の売上高成長率は78%と見込んでいる。今後はさらに世界を舞台に展開していく予定だ。  南シナ海の領有権争いなどで、ベトナム・中国間の緊張が高まることは、経済にも少なからず影響するが、それでも同氏は自信を持って語る。「チュングエンコーヒーを中国市場で普及させ、全ての中国人の財布から毎年1ドルを消費させることは決して不可能なことではない。」

 同氏はコーヒーの都である中部高原地方ダクラク省に生まれた。とはいえ、初めからコーヒーショップの経営者を目指していたわけではない。大学は地元の有名な医大に入学。しかし、大学3年生のとき、自分が医者になりたいわけではないと気づいたという。時代はドイモイ政策(刷新政策)の最中、ベトナム社会が急速に変貌を遂げていく激動の中にあった。  そして、同氏は小さなコーヒーブランドを立ち上げた。初めは自転車で、その後はバイクで、コーヒーを売って回る日々が続いた。それが15年後には3000人以上の社員を抱える大企業「チュングエンコーヒー」に成長した。  国を代表する指導者たちとの会談の中で、同氏は「ベトナムをただのコーヒー原産国に留まらせてはいけない。焙煎、加工、輸出までを一貫して行うことが出来るコーヒー大国となる必要がある」と進言した。  また同氏はこうも語った。「私はよくベトナム人の国民性を語るとき、亀と龍の例えを用いる。亀は堅実、勤勉な動物、龍は幸運の象徴で、恐れることなく邁進する。全てのベトナム人はこの二面性を持ち合わせていると思う。しかし、夢見ることを恐れて、何が果たせるというのか。行動なくして何が得られるというのか。チュングエンの役割はベトナムの龍となることだ。」 

[Ha Thu Vnexpress 27/7/2012, 12:09 GMT+7U]
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