ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

山岳少数民族の青年、夢を追って日本でエンジニアに

2011/03/13 09:56 JST配信
(C) VNExpress, Dinh Van Nam
(C) VNExpress, Dinh Van Nam 写真の拡大

 決して恵まれた環境とはいえない山岳少数民族の村の暮らし中でも、向上心を忘れることなく努力を続け、優秀なITエンジニアに成長した青年がいる。日本企業でエンジニアとして活躍するディン・バン・ナムさん(男性・28歳)だ。

 ナムさんは山岳地方の少数民族フレ族の村に生まれ、幼い頃はその日の食事にもままらなず、主食は芋だった。小学校に上がる年になっても学校へ通う子どもは極めて少ない。村では、子どもが学校へ通いたくても親が家畜の世話を言いつけ、学校へ通う子どもは働こうとしない怠け者だとさえ言われていた。

 ナムさんの家族も例外ではなかった。姉たちの中には5年生で退学し結婚した人もいれば、非識字者もいて、学業について考える人は誰1人いなかった。しかしナムさんは違った。小さいときから勉強が大好きで、登校初日のことを今でも鮮明に覚えているという。普段少数民族の言語を話すナムさんは当時先生が話すベトナム語があまり良く理解できないことも多々あったが、アルファベットの練習がとても楽しく、帰宅しても翌日の学校が待ち遠しかった。

 村には中学校がなかったため、小学校を卒業後、ナムさんはベトナム国民の大多数を占めるキン族の生徒が主に通う中学校へ通うことになった。キン族の生徒の新しい制服や学生鞄が羨ましかった。通学当時は少数民族であることを冷やかされ、親しい友達はいなかった。しかし、これが頑張るための原動力となり、ナムさんは中学時代には優秀生徒として何度も表彰された。かつてナムさんをからかっていたクラスメイトさえも、ナムさんに数学を教えるよう頼むようになったことから親しくなり、ナムさんにも自信がついた。

 ナムさんの当時の夢は、中学を卒業し郵便専門学校に進学することだった。しかし、テレビのクイズ番組に大学生が出ているのを見て、いつしか大学進学を夢見るようになり猛勉強し、高得点で大学に合格した。その時には、村中の人がナムさんを祝福したという。

 大学の入学手続きを済ませたその足で、ナムさんはアルバイト先を探した。少数民族優遇政策で学費は免除されたが、ナムさんはカフェの店員や家庭教師をして自分の生活費や田舎の家族への仕送りの資金を稼いだ。大学3年からはインターネットカフェのシステムアドミニストレータを始めたが、アルバイトに夢中になりすぎて8科目中7科目で追試を受ける羽目になってしまった。

 これではいけないと一念発起し勉強に打ち込むうちに、ナムさんは海外で働くことを目指すようになった。大学卒業の年、ナムさんは日本のIT企業が自社の人材育成の一環として、ベトナム人奨学生を募集していることを知り応募した。ナムさんは応募した学生400人中の20人に残り、最終選考で日本に派遣される5人の1人に選ばれた。

 ナムさんがソフトウェアエンジニアとして日本で働くようになり3年が経った。ナムさんは、少数民族でも夢を信じて努力すれば海外で認められ仕事ができることを証明できたと自負している。そして、学生時代の夢を実現させたナムさんは今新しい夢に向かって進んでいる。

[VNExpress, 09:30 (GMT+7) 26/11/2010, T].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
この記事に関連するおすすめの記事
新着ニュース一覧
ベトナム、トランプ関税に保留要請 ミッション団派遣で直接交渉 (16:43)

 グエン・ホン・ジエン商工相は、ドナルド・トランプ米大統領が発表したベトナムに対する「相互関税」について、両国間で協議の時間を作り、双方が納得する解決策を模索すべく措置の一時保留を求める公文書を送...

ベトナム、ラオスのカムタイ・シーパンドン元国家主席の国葬実施 (16:31)

 ベトナム政府は、ラオス人民革命党の元党中央執行委員会委員長・元国家主席・元首相のカムタイ・シーパンドン氏を追悼し、4日と5日の2日間にわたり、ベトナムで国葬を実施することを決定した。同氏は2日に102歳...

アンザン省人民委元主席に禁固8年半の判決、違法砂採取事件で (15:01)

 南部メコンデルタ地方アンザン省で発生した違法砂採取事件の裁判で、ホーチミン市人民裁判所は2日、44人の被告に有罪判決を下した。  同事件は、チュンハウ68社(Trung Hau 68)が2022年から2023年にかけて、...

ホーチミン、花の少ない13本の「花通り」 (3/30)

 ホーチミン市フーニュアン区のファンシックロン(Phan Xich Long)通りの周辺には、全長1kmにも満たない13本の通りが集まっている。これらの通りは様々な種類の花の名前にちなんで名付けられており、碁盤の目のよ...

ハイフォン:ラックフエン港湾地区の第3埠頭が開業へ (14:50)

 ベトナム海事水路局はこのほど、北部紅河デルタ地方ハイフォン市ディンブー・カットハイ(Dinh Vu - Cat Hai)経済区内のラックフエン(Lach Huyen)港湾地区にある第3埠頭の開業に関する決定を正式に発表した。 ...

FPT情報通信、GEヘルスケアと医療AI推進で提携 (14:08)

 ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)はこのほど、米国に本社を置き、医療技術とデジタルソリューションを提供する多国籍企業であるGEヘルスケア(GE HealthCare)との

カインホア省:ゾックダーチャン工業団地を建設、投資総額103億円 (13:54)

 南中部沿岸地方カインホア省人民委員会は2日、同省のバンフォン経済区内でゾックダーチャン(Doc Da Trang)工業団地の建設に向けた地鎮祭を行った。地鎮祭には、グエン・カック・ディン国会副議長、マイ・バン・...

地場と韓国企業が提携、AI韓国語学習プラットフォーム開発へ (13:37)

 教育コンテンツの制作を手掛ける韓国のケデュオール(KeduAll)は1日、ベトナム現地法人のフィクテック(FIKTECH)をホーチミン市に設立したと発表した。これと同時に、人工知能(AI)を用いた教育プラットフォーム開...

米国の相互関税、ベトナムは46%の高水準 中国34%・日本24% (6:27)

 ドナルド・トランプ米大統領は2日、世界各国からの輸入品に対し「相互関税」を科すと発表した。180以上の国・地域に一律10%の関税を課した上で、国・地域ごとに異なる税率を上乗せする。ベトナムに対しては計4...

ラム書記長、5月にロシア訪問 戦勝記念日の軍事パレード参加 (6:09)

 ブイ・タイン・ソン副首相 兼 外相は、5月に予定されているトー・ラム書記長のロシア訪問と「対ナチス・ドイツ戦勝80周年記念パレード」への参加に向けた準備を進めるべく、2日から4日までの日程でロシアを訪問...

米国大使、クアンビン省のザップ将軍の墓を初訪問 (5:52)

 北中部地方クアンビン省人民委員会は、マーク・ナッパー駐ベトナム米国大使が1日午後、同省の指導者とともに同省クアンチャック郡クアンドン村にある故ボー・グエン・ザップ将軍の墓を訪れ、焼香したことを明ら...

電気料金、3か月ごとに調整可能に 新政令 (5:13)

 政府は3月28日、電気料金の調整メカニズムを規定する政令第72号/2025/ND-CPを公布した。同政令は即日施行された。  同政令によると、電力の平均販売価格の調整間隔を最短3か月とし、発電コストや電力買取コ...

国家イノベーションセンターと米インテル、無料AI学習コース発表 (4:31)

 財政省傘下のベトナム国家イノベーションセンター(NIC)と米インテル(Intel)は2日、「コミュニティのための人工知能(AI for All)」プログラムを発表した。  同プログラムは3月26日にファム・ミン・チン首相...

ニトリ、グローバル旗艦店をホーチミン1区に出店 ベトナム4号店 (4:10)

 株式会社ニトリホールディングス(北海道札幌市)は4月11日、ベトナム4号店としてグローバル旗艦店「ニトリ・ドンコイ(NITORI Dong Khoi)店」をホーチミン市1区にオープンする。ニトリグループの店舗としては1044...

日本政府、ハイフォンの短大に海洋養殖訓練機器を引き渡し (3:08)

 日本政府は3月28日、北部紅河デルタ地方ハイフォン市キエンアン区の水産・食品技術短期大学(元:技術経済水産短期大学)で、同短期大学に対する練習用養殖生簀、飼料製造用機械、海上における安全器具などの海洋...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved