司法省は現在、「越僑(在外ベトナム人)が所有する1991年7月1日以前に成立した家屋取引に関する国会常務委員会の議定」草案について調整を行っている。その草案によれば、祖国ベトナムに貢献があった者、帰郷届を出し受理された者は引き続き家屋所有権を有するが、その他の者はその家屋の「価値を享受する」権利のみを有する。
同草案によると、具体的には、2010年7月1日までに家屋所有者がベトナムに帰国し、家屋をベトナム国内に住む者に売却または所有権を委譲しなければいけない。その期限を過ぎた場合は国内にいる家屋所有者の親族が相続し、家屋所有者が家屋の「価値を享受する」権利を放棄するか、または親族がいない場合はその家を現在管理している者、30年以上連続で使用し続けているものが所有権を獲得する。最終的に所有者が決まらない場合は国家の所有となる。
この草案が公布されれば、今までの越僑が関係している家屋所有権に関する問題の多くが解決される。今まではこれに関する明確な議定がなかったために、家屋所有権の移譲などを行いたくても、新議定が出るまで待っていなければいけなかった。しかし、「家屋の価値を享受する」権利しか持つことができないという点について、ベトナム民事法の観点から、見直すべきだという声もある。