ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

日本のベトナムレストラン

2004/07/06 10:00 JST配信

 ホーチミン市在住4年で現在日系旅行会社に勤める岡野明子さん。このほど日本へ一時帰国された後ホーチミンに戻られNguoi Lao Dong紙に“日本でのベトナム料理”に関する記事を寄稿していただいた。

***日本のベトナムレストラン***

 現在日本には多くのベトナムレストランがあり、東京だけでも10軒前後のベトナムレストランがある。まず最初に青パパイヤのサラダ、蓮のサラダ、イカの肉詰め、そしてなんと行ってもベトナム料理の代名詞でもある揚げ春巻きで有名なレストラン「Hoa Hoa」を紹介しよう。

 ベトナムレストラン「Hoa Hoa」は2階建てで各フロア−には5~7つのテーブルが並べられている。東京のような地価の高い場所で「Hoa Hoa」のようなスペースを備えたレストランは稀であるといってもいい。メニュー価格も多くの日本人に受け入れられる範囲で、家族で訪れたとして1人あたり平均約60万ドンほどだ。

 他にも越僑の映画監督が製作した有名な映画「青いパパイヤの香り」をそのまま店名にした「Du Du Xanh」レストランや、ベトナム北部料理を専門としその中でも特にフォーで有名なJapanese & Vietnam Restaurant Kitchen、ここのフォー1杯の値段は約12万ドンほどだ。さらに、東京から西へ行った神戸にはフォー、揚げ春巻き、生春巻き、カレー、スープなどのベトナム料理を提供する「Soup」というベトナムレストランもある。

***ベトナム語を学び日本でベトナムレストランをオープン***

 ベトナムにある日本料理店はそのお客のほとんどが日本人であるし、韓国料理店もしかりであるが、日本においてはベトナムレストランのお客のほとんどは日本人なのである。しかし、お客さんの主流が日本人だからといってもベトナム料理の本質はそのままに保たれている。

 まず、ベトナム料理に欠かせないのがヌクマム(魚醤)であるが、ほとんどすべてのレストランではこれをベトナムから取り寄せており、Lua Moi, Nep Moi、ダラットワインなどのアルコール類もすべてベトナムからの輸入されている。値段はダラットワインがレストランによってまちまちだが、1本9万ドンから12万ドンで販売されている。

 このほかレストランに飾られているベトナムの絵画も写真も販売され、多くのレストランでベトナム語で書かれた詩がレストランの壁に掛けられている。またレストランではベトナムから持ってきたお皿、茶碗類が使われており、ここでもやはりその主流はバッチャン焼きである。

 ここ日本でのベトナムレストランの最大の特徴といえば、ほとんどのレストランのマネージャーがベトナム語を話すことであろう。Masumiさんもその一人だ。Masumiさんはハノイで2年間ベトナム語を勉強したあと資金を投げ打ってこのレストランKitchenをオープンさせた。またこのレストランが北部料理専門というのもそういう理由からである。

 ホーチミン市でのバックパッカー街Pham Ngu Lao通りに愛着があり3年間をホーチミンで過ごしたTsuno Mariさんはホーチミン市婦人文化会館のベトナム料理の調理に関する証明書を授かっている。もう一人は伊藤忍さん。忍さんはベトナム語に長けており、同じく日本でベトナムレストランオープンを計画している一人でもある。また以前ホーチミン市Nam Ky Khoi Nghia通りにあるレストラン「La fenetre Soleil」で勤めており、そこで日本人旅行客向けベトナム料理クラスで教えていた経験もある。現在忍さんは来越中で、日本でこれから発行されるベトナム料理特集雑誌のための資料集めに奔走している。

***日本で売られるベトナム食品***

 日本ではベトナムレストランだけに限らずベトナム食品や飲料までが大量生産されている。その代表的なものが最も有名なベトナム料理として知られるフォーである。インスタントラーメン作りの手法で生産されたインスタントフォーが日本の企業によって生産されており、また近いうちに中国企業がベトナムフォーで市場に参入する計画もある。

 たびたびベトナムを訪れた日本人は次第にベトナムの飲み物、"Sinh To"(コンデンスミルクが入ったフルーツシェイク)に魅了される。現在日本のスーパーマーケットでは、日本製ドリンクのそばに1種類ベトナム語表記(日本語表記はない)のドリンクがある。それが名前もそのままの"Sinh To"だ。1本約3万ドンで販売されており、これも日本企業が生産しており広く流通している。

(文:岡野明子さん)

[Nguoi Lao Dong].  © Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
この記事に関連するおすすめの記事
新着ニュース一覧
ダナン:クリスマス&ニューイヤーフェスティバルを初開催 (8:58)

 南中部沿岸地方ダナン市観光局は、2024年12月14日(土)から2025年1月2日(木)にかけて「クリスマス&ニューイヤーフェスティバル2025」を初開催すると発表した。  同イベントは、ロン橋(ドラゴン橋=ドラゴン...

カンボジア国会議事堂新庁舎が落成、ベトナムが寄贈 (22日)

 カンボジア公式訪問を開始したチャン・タイン・マン国会議長は21日、カンボジアの首都プノンペンで、同国のクオン・ソダリー国民議会(下院)議長と会談した。  両議長はこの席で、両議会が緊密に連携して訪...

フエ前国会議長に警告処分、病床のトゥオン元国家主席は処分先送り (22日)

 ベトナム共産党政治局・書記局は20日に開かれた会合で、政治局員・国会共産党連合会書記・国会議長在任中に、汚職防止に関する党規と法律に違反したとして、ブオン・ディン・フエ前国会議長に警告処分を科すこ...

ハノイの街角、アヒルを連れて散歩する名物男性 (17日)

 午後3時、ハノイ市ハイバーチュン区ファムディンホー街区在住のグエン・ゴック・クアンさん(男性・61歳)が、手に持った棒で地面を叩くと、生後4か月の真っ白なアヒルは「散歩の時間だ」と理解し、クアンさんの...

エノテカ、ホーチミン高島屋にワインショップをプレオープン (22日)

 ワインの輸入販売などを手掛けるエノテカ株式会社(東京都港区)は11月25日、ホーチミン市1区のホーチミン高島屋2階に「ワインショップ・エノテカ ホーチミン高島屋店」をプレオープンする。  ラウンジエリア...

住商アグロ、地場農業資材販売会社に出資 (22日)

 住商アグロインターナショナル株式会社(住商アグロ、東京都千代田区)は、ベトナムの農業資材販売会社であるホップチー・インベストメント・コーポレーション(Hop Tri Investment Corporation、ホーチミン市)に...

働きがいのある在ベトナム企業ベスト100、ユニリーバが1位に (22日)

 ベトナム最大の企業管理職向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営するアンファベ(Anphabe)は19日、「働きがいのある在ベトナム企

カマウ省:戦勝遺跡地区を建設、ベトナム戦争の戦闘で勝利の地 (22日)

 南部メコンデルタ地方カマウ省人民委員会は19日、ダムゾイ郡でダムゾイ・カイヌオック・チャーラー(Dam Doi - Cai Nuoc - Cha La)戦勝遺跡地区の起工式を開催した。同省共産党委員会のグエン・ティエン・ハイ書...

ホーチミン:12月運行開始のメトロ1号線、運賃決定 (22日)

 ホーチミン市人民委員会は21日、12月の商業運転開始を予定している都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)の運賃を規定する決定を発表した。  決定によると、運賃は乗車区間の距離によって異...

マレーシア、ベトナムの9か国目の包括的・戦略的パートナー国に (22日)

 21日から23日までの日程でマレーシアを公式訪問中のトー・ラム書記長は21日、最高儀礼に則り盛大に執り行われた歓迎式典の後、アンワル・イブラヒム首相との首脳会談に臨んだ。  両首脳はこの席で、両国間...

チン首相、ドミニカ共和国大統領と会談 FTA交渉を提案 (22日)

 ドミニカ共和国を公式訪問中のファム・ミン・チン首相は現地時間20日、ルイス・ロドルフォ・アビナデル・コロナ大統領と会談した。  両首脳は、2005年7月7日の外交関係樹立以来、初のハイレベル訪問となる...

ホーチミン:ドンコイ通りの小売スペース賃貸料、世界14番目の高さ (22日)

 米不動産サービス大手クッシュマン&ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield=C&W)がこのほど発表した、世界のブランドショップ街の小売スペース賃貸料動向に関する年次調査レポート「世界のメインストリート(...

自宅でヒキガエル肉を調理、児童1人死亡・1人重篤 (22日)

 南中部高原地方総合病院は19日、自宅で調理したヒキガエルの肉と卵を食べた児童2人が中毒を起こしたと発表した。  19日昼、南中部高原地方ダクラク省クロンパック郡に住むY君(11歳)は、自分でヒキガエルの...

教員の4割超が給与と保護者のプレッシャーに悩み (22日)

 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)傘下の政策開発研究所が先般発表した調査結果によると、教員の25.4%が学校内で、8.2%が学校外で生徒向けに補習授業を行っている。  この...

エクセル・クリエイツ、ハノイに駐在員事務所を開設 (22日)

 医療機関向けパッケージソフトウェアの製造・販売を手掛ける株式会社エクセル・クリエイツ(大阪府大阪市)は11月、ハノイ市に駐在員事務所を開設する。  これを機に、ベトナムをはじめとする東南アジア諸国...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2024 All Rights Reserved