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- 国外逃亡中のAIC元会長に禁固10年
- 18年に日本政府から旭日小綬章授与
- 既に5つの刑事事件で有罪判決
情報通信省の傘下機関だったベトナム・コンピューター・セキュリティセンター(VNCERT)における設備機器の取引価格水増し事件の裁判で、ハノイ市人民裁判所は21日、被告13人に有罪判決を下した。
同事件は、総合商社AICグループ(AIC Group、ハノイ市)の元会長 兼 社長グエン・ティ・タイン・ニャン被告(女・55歳)の指示のもと、AICがVNCERTの元幹部らに賄賂を渡し、設備機器供給パッケージを違法落札した上で、設備機器の取引価格を水増し、国に172億VND(約1億円)の被害をもたらしたというもの。
国外逃亡して指名手配中のニャン被告は、入札規定に違反し甚大な被害をもたらした罪に問われ、禁固10年の判決が言い渡された。VNCERTの元職員やAICの元従業員など残る被告12人は、1年10か月~7年の禁固刑となった。民事責任について、裁判所はニャン被告とAICに対し、国に160億VND(約9300万円)の賠償金を支払うよう命じた。
ニャン被告は、日越間の相互理解・友好親善、投資、医療分野における交流強化のための長年にわたる献身的貢献と功績により、2018年に日本政府から旭日小綬章を授与された人物だが、その後、多くの犯罪に関与していたことが明らかとなり、信用は地に堕ちている。
今回裁判が行われた事件は、ニャン被告が関与した5件目の刑事事件となる。他の4件と同被告が受けた量刑は以下の通り。
◇東南部地方ドンナイ省総合病院における医療設備器具の取引価格水増し事件(禁固30年)
◇東北部地方クアンニン省産科小児科病院における医療設備器具の取引価格水増し事件(禁固10年)
◇ホーチミン市農業農村開発局傘下のバイオ・テクノロジー・センターにおける設備機器の取引価格水増し事件(禁固24年)
◇北部紅河デルタ地方バクニン省保健局医療建設プロジェクト管理委員会における違反事件(禁固13年)
なお、ドンナイ省とクアンニン省の事件の裁判では、ニャン被告は出廷せず、欠席裁判となった。ベトナムでの禁固刑は最大30年と規定されているため、全ての判決を含めたニャン被告に対する禁固刑の期間は30年のまま変わらない。