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- 元保健相ロン被告に禁固17年の判決
- 医学教育への貢献など考慮し1年の減刑
- 控訴した他の一部の被告にも減刑認める
ベトナム人民軍の軍医学院と地場ベトアー・テクノロジー・コーポレーション(Viet A Technology Corporation、ホーチミン市)から成るコンソーシアムによる新型コロナウイルス検査キットの研究開発(R&D)、評価、流通認可、価格設定、購買調達に関する汚職事件の控訴審で、ハノイ市上級人民裁判所はこのほど判決を下した。
控訴審では、今年1月中旬に同市人民裁判所から有罪判決を受けた被告37人中12人が控訴し、減刑を求めた。この12人には、主犯格のベトアー元社長のファン・クオック・ベト被告(男・44歳)、元保健相のグエン・タイン・ロン被告(男・58歳)も含まれる。
一審裁判では、ベト被告が贈賄罪と入札規定に違反し甚大な被害をもたらした罪で禁固29年、ロン被告は収賄罪で禁固18年の判決を言い渡された。
ベト被告について、同市上級人民裁判所は控訴審でも一審判決を支持した。
ロン被告については、◇被告が権威のある医学博士・教授であり、国の複数の医学博士の養成に貢献したこと、◇被告の家族が追加の賠償金として10億VND(約610万円)を納付したことなどを検討し、さらに情状酌量の余地もあるとして、1年の減刑を認めて禁固17年の判決を下した。
同事件では、ロン被告が225万USD(約3億5000万円)の賄賂を受け取り、収賄額が最も大きかった。この賄賂は一審裁判が開かれる前に、既に国に払い戻されている。
ロン被告と同じく、控訴した他の一部の被告も減刑が認められた。
同事件は、ベトアーが国の研究(国防省傘下の軍医学院が展開し、科学技術省が承認して資金拠出する国家レベルの研究)の結果を違法に使用して検査キットの製造販売を実施し、検査キットの製造に用いられる原材料や機械設備の価格を水増しする形で生産コストを詐称して、不当な高値で販売したというもの。
同社は2020年4月に保健省から流通認可を取得。2020年から2021年にかけて製品を販売し、1兆2350億VND(約76億円)の不正利益を獲得した。同社は、不当な価格に同意した見返りとして、医療管轄機関の要職をはじめとする関連機関の複数の幹部に賄賂を渡していた。