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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を背景に運航された帰国者など向けの特別便認可を巡る汚職事件の裁判は7月28日に判決が下され、被告54人が有罪判決となった。被害克服のため被告らは、判決前に1730億VND(約10億3000万円)を国に納付しているが、乗客らが支払った高額な運賃が返金される可能性は低そうだ。
この裁判で被告54人は、◇贈賄、◇収賄、◇贈収賄仲介、◇公務執行上の職権乱用、◇詐欺・資産横領の5つの罪に問われていた。
ハノイ市人民裁判所の判決によると、被害克服のため納付された資金は国に没収されることになっている。高額な料金(運賃や宿泊費など)を支払って特別便で帰国した乗客への対応について、裁判所は今回の裁判で権利を保護する根拠がないと判断し、乗客が法律に基づいて企業側に抗議することを提案した。
法曹関係者によると、特別便のサービス料金は民事的な合意によるもので、国際線の運賃上限に関する規定もないため、運賃上限の違反などを判断する根拠がない。乗客が権利を侵害されたと主張しても、民事的な合意があったため、返金の可能性は低いとみられる。
この特別便は、コロナ禍の影響で帰国するベトナム人のために国が特別に手配したものだが、関係者らは複数の公的機関の幹部らと結託して不正利益を得ていた。2020年年初から2021年半ばにかけて1000便以上が手配され、62か国・地域から20万人以上のベトナム人が帰国した。
特別便に搭乗するには、通常より高額なサービス料金を支払うほか、煩雑な手続きが必要だった。なお、贈賄の罪に問われた、観光関連会社の役員やフリーランサーなどだった被告らは、特別便に乗るため、合わせて2260億VND(約13億5000万円)の賄賂を渡した。