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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を背景に運航された帰国者など向けの特別便の認可を巡る汚職事件で、公安省傘下の治安捜査機関は5日、元駐マレーシア大使のチャン・ベト・タイ容疑者(男・49歳)を公務執行における職権乱用の容疑で新たに逮捕した。
駐マレーシア・ベトナム大使館元職員のグエン・ホアン・リン容疑者(男・37歳)も同じ容疑で在宅起訴された。
ベトナム共産党中央監査委員会が昨年末に決定したところによると、2人は既に党員としての処分を受けており、このうち、タイ容疑者は党機関における全ての役職を抹消され、リン被告は警告処分を科された。
同事件では、最初の容疑者が2022年1月下旬に逮捕されてからこれまでに、トー・アイン・ズン外務次官(男・59歳)や、ファム・ビン・ミン第一副首相(外交担当)補佐官のグエン・クアン・リン容疑者、外務省傘下領事局の要職のほか、政府官房傘下の国際関係局や保健省傘下の医療設備工事局、公安省傘下の出入国管理局の幹部、旅行会社をはじめとする複数会社の役員など、事件に関与した41人もの容疑者が起訴され捜査を受けている。
ファム・ビン・ミン第一副首相は、2022年12月下旬に党中央執行委員会によって政治局員を解任され、2023年1月5日の臨時国会では「本人の希望」により副首相の職も解任となった。
ブイ・タイン・ソン外相(共産党中央執行委員・外務省共産党委員会書記)については、政治局が中央監査委員会の調査結果を踏まえ、違反の内容、性質、度合い、被害、原因を検討した上で、昨年末に「厳格批判」とした。ソン外相に対する「厳格批判」は拘束力がなく、処分にも当たらない形式的なもの。政治局は同氏に対し、今回の件から教訓を得て、指摘された違反の是正を指導するとともに、その結果を政治局に報告するよう指示した。
なお、公安省によると、被害克服のためにこれまでに容疑者らから合わせて約800億VND(約4億5000万円)を押収している。