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東南部地方ドンナイ省総合病院における医療設備器具の取引価格水増し事件で、ハノイ市人民委員会は4日、36人の被告に有罪判決を下した。36人のうち11人は、ドンナイ省の共産党委員会、人民委員会、保健局、建設局、商工局、計画投資局などの管轄機関に勤務していた人々だ。
同事件は、ドンナイ省総合病院の幹部らが2013年から2015年にかけて、総合商社AICグループ(AIC Group、ハノイ市)やコンサルタントと結託し、医療設備器具の調達で取引価格を談合により水増しし、国に約1500億VND(約8億3000万円)の損失をもたらしたというもの。AICグループは談合により12パッケージを「落札」し、契約総額は4769億VND(約26億5000万円)だった。
AICグループの会長 兼 社長であるグエン・ティ・タイン・ニャン被告(女・53歳)は、複数回にわたりドンナイ省の幹部らに賄賂を渡していたことが確認された。このうち、ドンナイ省共産党委員会のチャン・ディン・タイン元書記(男・67歳)と同省人民委員会のディン・クオック・タイ元主席(男・63歳)の省元トップ2人はそれぞれ140億VND(約7800万円)を受け取っていた。
共に収賄罪に問われていたタイン元書記とタイ元主席はそれぞれ禁固11年、禁固9年の判決だった。他の被告には、執行猶予付き禁固2年6か月~禁固25年の判決が下された。
ニャン被告は主犯格として特定されたが、指名手配されており、裁判にも出廷しなかった。ニャン被告は、競売入札に関する規定に違反し甚大な被害をもたらした罪で16年、贈賄罪で14年の計30年の禁固刑を言い渡された。
ニャン被告は2021年6月に逃亡し、2022年5月上旬から指名手配されている。日越間の相互理解・友好親善、投資、医療分野における交流強化のための長年にわたる献身的貢献と功績により2018年に日本政府から旭日小綬章を授与された人物として知られる。
ニャン被告のほか、AICやその関連会社に勤めていた他の被告7人も逃亡中で、欠席裁判となった。
民事責任について、裁判所はニャン被告らに対し、ドンナイ省総合病院に約1500億VND(約8億3000万円)の賠償金を支払うよう命じた。