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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を背景に運航された帰国者など向けの特別便の認可を巡る汚職事件で、国の最高指導者であるベトナム共産党グエン・フー・チョン書記長は27日、外務省共産党委員会幹事部(2021~2026年任期)の処分を検討する政治局・書記局の会合を主催した。
中央監査委員会の調査結果では、外務省共産党委員会幹事部は民主主義的中央集権主義(民主集中制)に違反し、管理・監視・検査を怠り責任を果たさず、一部党員が党員として遵守すべきルール、生活習慣、道徳に関する規則に違反し、国の幹部・党員として国民の模範となる責任を果たさず、党と外務省の尊厳を著しく損ない、国民に不満をもたらしたと結論付けられている。
中央監査委員会の調査結果を踏まえ、政治局はブイ・タイン・ソン外相(共産党中央執行委員・外務省共産党委員会書記)を厳格批判とし、書記局はブー・ホン・ナム前駐日ベトナム特命全権大使を党除名処分とすることを決定した。
党規では、違反した党員に対し違反の度合いによって、◇譴(けん)責、◇警告、◇罷免、◇党除名のいずれかの処分を科すと規定している。党員の勤務先である行政機関は、党機関による党員の処分決定に基づき、本人に適切な処分を科すことになっている。
ただし、ソン外相に対する「厳格批判」は拘束力がなく、処分にも当たらない形式的な処分となる。政治局は、違反の内容、性質、度合い、被害、原因を検討した上で、ソン外相を厳格批判とし、同氏に対しては今回の件から教訓を得て、指摘された違反の是正を指導し、その結果を政治局に報告するよう指示した。