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公安省傘下の麻薬犯罪捜査警察局(C04)は22日、2018年5月に摘発された大規模な麻薬密輸密売ルートの元締めを逮捕したと発表した。
逮捕されたのは、1990年代の北部の裏社会を牛耳っていた「ゴッドマザー」ことブー・ティ・ホアン・ズン(女、通称:ズンハー)の実の姉であるブー・ホアン・オアイン容疑者(女)だ。
オアイン容疑者が率いる麻薬密輸密売ルートが摘発された当時、容疑者は海外に逃亡し、国際刑事警察機構(インターポール)によって国際指名手配された。逃亡中も引き続きルートを運営し、麻薬取引で悪名高い「ゴールデン・トライアングル(黄金の三角地帯)」(ミャンマー・ラオス・タイの3か国が国境を接する地域)からベトナム国内への麻薬の密輸・密売を指揮していた。
麻薬は輸送会社や貿易会社を装ったペーパーカンパニーによってベトナム国内に密輸され、容疑者のルートのこれまでの取引量は1.6tにも達するとされる。
C04は、在外の公安省代表機関と海外当局と協力し、これに先立つ9月にオアイン容疑者を逮捕した。同容疑者を含め、ルートのメンバーら合わせて28人が逮捕され捜査を受けている。同事件をめぐり、警察は引き続き裏付け捜査を進めている。
なお、容疑者の実の妹であるズンハーは、南部の「ゴッドファーザー」だったチュオン・バン・カム元死刑囚(通称:ナムカム)と対立し、2000年にホーチミン市1区の路上でナムカムの手下によって暗殺された。これがきっかけとなり、警察はナムカムらが率いる犯罪グループの一掃に踏み切った。
ホーチミン市人民裁判所は2003年、ベトナム史上最大の刑事事件となった同事件の裁判で、ナムカムを含む6人の被告に死刑判決を下し、ナムカムは2004年、銃殺刑に処された。同事件の被告人の数は156人にも達し、ベトナムの刑事事件で史上最多となっている。