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ホーチミン市内のスーパーマーケットでは、「安全野菜」や「ベトナム安全農産物生産基準(Vietnamese Goods Agricultural Practices=VietGAP)認証野菜」のシールが貼られた野菜が高値で販売されている。地元紙「トゥオイチェー(Tuoi Tre)」の取材で、これらの中に偽装された野菜があることが分かった。
取材班は、ホーチミン市直轄トゥードゥック市のビアジェ社(Viager)の野菜加工施設で8月から9月半ばまで観察を続けた。この中で、夜11時ごろから翌日午前3時ごろまでバイクが次々と各種の野菜を搬入し、施設の従業員が野菜の見栄えを整えて包装し、商標シールを貼り付けているのを確認した。シールには南中部高原地方ラムドン省ドゥックチョン郡フーホイ工業団地のチンニーフーズ社(Trinh Nhi Foods)の情報と「ダラットの野菜」の文字、さらに「VietGAP」のロゴも記載されていた。
搬入業者に取材を進めると、生産地に関係なく値段が安い野菜を仕入れて持ち込んでいたことが判明した。「VietGAP認証」も偽装されたものだった。
チンニーフーズの野菜の行方を追うと、畜産飼料、食品・飲料、鉱山採掘、金融事業を手掛ける持ち株会社マサングループ[MSN](Masan Group)傘下の小売チェーンであるスーパーマーケット「ウィンマート(WinMart)」と電子商取引(eコマース=EC)サイトの「ティキ(Tiki)」のフードデリバリー「ティキ・ゴン(Tiki Ngon)」に行きついたという。
この報道を受けてウィンコマースは、チンニーフーズからの仕入れを停止し、全ての商品を回収するとともに、チンニーフーズに対し、ウィンコマースとの間で締結した商品供給契約に従い商品の品質と原産地に関するコミットメントの違反について早急に説明するよう求めた。