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最高齢の「ベトナム英雄の母」だったグエン・ティ・タンさんが、6月13日午後7時30分に北中部地方ゲアン省ドールオン郡タンソン村の自宅で老衰のため死去していたことがわかった。111歳だった。
1968年8月20日に発行された証明書によると、タンさんは1911年生まれ、タンソン村在住で、「ホアン・ティ・ル」の別名があった。
4人の息子は全員が戦争に行き、うち長男のグエン・タット・タンさん(1947年生まれ)とグエン・タット・バンさん(1951年生まれ)の2人は1969年に戦死した。タンさんは2014年、チュオン・タン・サン国家主席(当時)から「英雄の母」の称号を授けられた。
タンさんは50年余りにわたり息子たちの遺骨の捜索に尽力してきた。そして2020年9月、長男のタット・タンさんの遺骨が見つかり、故郷へ帰った。国旗に包まれた息子の遺骨を抱きしめて涙を流すタンさんの姿は、当時大きな話題となった。
年を取ってからは身体が弱くなり、目が見えず、耳も聞こえなくなってしまったが、誰かが自宅を訪れるたびに戦死したはずのタット・バンさんが帰ってきたと思っていたという。
ゲアン省労働傷病兵社会局によると、ベトナムには3736人の「ベトナム英雄の母」がおり、6月初めの時点で生存していた63人の中で、タンさんは最高齢だった。
タンさんの死去に関連し、タンさんの訃報を聞いた孫が、故郷に帰る途中で交通事故に遭い死亡していたことが明らかになった。孫のNさんは2002年生まれの大学生で、タンさんの末子であるグエン・タット・チュオンさんの息子。
Nさんは祖母の葬儀に参列するため、13日夜にハノイ市からゲアン省行きの寝台バスに乗り込んだ。しかし、北部紅河デルタ地方ニンビン省ニンビン市ナムタイン街区でバスがバイクに衝突して横転。Nさんを含む4人が死亡した。