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ベトナム全国では現在、約270万人が年金を受け取っており、月額給付額の合計は約14兆5000億VND(約800億円)で、1人当たりの給付額は540万VND(約2万9700円)となっている。
これは、ベトナム社会保険機関年金部が28日に明らかにしたもの。それによると、年金受給者の月額給付額は、2021年における国民1人当たりの平均月収(約420万VND=約2万3100円)を上回るとされている。
全国で年金や社会保険手当を受け取っている人の数は494万人余り。このうち、年金受給者は270万人で、残りは社会保険手当などを受け取っている。
一方、定年年齢にあるものの、一切の社会福祉制度を利用できていない人の数は900万人を超えている。老後の生活で子供に依存しているベトナム人高齢者は全体の38%を占めており、ほかの29%は定年年齢になっても仕事を続けている。
なお、年金の給付額は、定年退職時に固定されるのではなく、インフレ率と経済成長に応じて上方修正される仕組みとなっている。
年金の給付額は1995年以降、政府によって22回にわたり上方修正された。直近では、新型コロナの影響が続いているにもかかわらず、村・街区の幹部や労働能力喪失手当の受給者、労働災害手当の受給者、ベトナム戦争に参加した退役軍人・元警察官など一部対象者に対する年金が2022年1月から+7.4%引き上げられた。
ベトナム社会保険機関に納付される保険料は、労働者の老後の年金に直接影響するが、一部企業は保険料を抑えるために保健機関に実際より低い給与を報告しているのが現状。同機関は労働者の正当な権利を保護するため、今後はこの行為に対する取り締まりを強化していく方針を示している。