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地場ベトアー・テクノロジー・コーポレーション(Viet A Technology Corporation、ホーチミン市)が新型コロナの流行に便乗して地方自治体の医療当局と結託し、検査キット価格を水増しした事件で、これまでに複数省・市の医療当局責任者が相次いで逮捕されている。
直近では南部メコンデルタ地方ドンタップ省警察が20日、捜査の結果、事件に関与した証拠をつかんだとして、同省疾病管制センター(CDCドンタップ)のチャン・バン・ハイ所長(男・59歳)を逮捕したと明らかにした。
これに先立ち、◇北部紅河デルタ地方ハイズオン省、◇同ナムディン省、◇東北部地方バクザン省、◇同ハザン省、◇南部メコンデルタ地方ハウザン省、◇北中部地方ゲアン省、◇同トゥアティエン・フエ省、◇東南部地方ビンズオン省など複数の疾病管制センターの所長や幹部が逮捕された。
これまでに逮捕された容疑者の数は30人余りに達しており、贈賄・収賄容疑、公的資産横領、競売入札に関する規定に違反し甚大な被害をもたらした容疑、公務執行上の職権乱用の容疑などで捜査を受けている。
国の最高指導機関であるベトナム共産党政治局直属の腐敗防止中央指導委員会は、同事件を重く見ており、直接捜査を指揮。管轄当局と連携して、違反者に対する処分を徹底すべく、捜査範囲を拡大している。
これまでの捜査結果によると、ベトアー社は新型コロナウイルス検査キットを製造し、2020年4月に保健省から流通認可を取得。2020年から2021年にかけて全国63省・市のうち62省・市の疾病管制センターや医療施設に製品を納入し、売上高は4兆VND(約220億円)に上った。
ベトアー社は検査キットの製造に用いられる原材料や機械設備の価格を水増しする形で生産コストを詐称し、検査キットを1製品当たり47万VND(約2600円)という不当な高値で販売していた。同社はこの価格に同意した見返りとして、疾病管制センターや医療施設の長に賄賂を渡していた。