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ベトナムで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のため死亡した58歳の韓国人が、韓国政府関連機関などへの報告なしに即時火葬されていたことが明らかになった。
在ホーチミン韓国総領事館とホーチミン韓国人会によると、ホーチミン市で1人暮らしをしていた男性は7月初旬、新型コロナに感染。その後、病状が悪化したためホーチミン市チョーライ病院で治療を受けるも13日に死亡した。
ホーチミン市当局は、新型コロナの死亡者は24時間以内に火葬するとの規定に従って男性を即火葬したが、一方で男性の死亡について総領事館や韓国人会に報告しなかった。
男性と同じ時期に隔離されていた韓国人が、男性との連絡が途絶えたことを総領事館などに報告したことから調査が始まり、16日になって死亡の事実が明らかになった。
総領事館は「病院側に強く抗議したところ、感染者と死亡者が続出し人手不足が限界に達していることから、的確な措置ができなかったとの説明があった。当局に再発防止を強く要請した」と話している。
一方、ベトナム在住韓国人の間では不安が広まっており、「大使館だけでなく韓国本国の政府による積極的な対処が必要な状況」との主張も出ている。現在、ベトナム南部では死亡者を含む計10人の韓国人感染者が出ている。うち2人は重篤な状態だという。
これについてホーチミン市外務局は19日、韓国総領事館に公式通知を送付し、遺族に哀悼の意を表すとともに、市や関連当局に報告したという。
なお、ベトナムの伝染病防止法では、最も危険なレベルAの感染症として扱われている新型コロナにより死亡した場合、死亡時刻から24時間以内に遺体を火葬(火葬ができなければ土葬)しなければならないと規定されている。