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フランス・パリ郊外にあるエブリー(Evry)市の刑事法院で25日、ベトナム戦争中に米軍によって使用された枯葉剤(ダイオキシン)を生産した米国の化学企業17社を相手取ってベトナム系フランス人チャン・トー・ガーさんが起こした裁判が開かれた。枯葉剤でガーさん自身を含め、数百万人のベトナム人が健康被害を受けている。
ガーさんはウィリアム・ブルドン(William Bourdon)弁護士らの助力を受けて2009年5月、パリの良心の国際裁判所(International Tribunal of Conscience)でベトナムの枯葉剤被害者のために証言した。2013年にエブリー刑事法院に枯葉剤を製造した米企業26社を提訴し、翌年に19社に対する訴訟手続きが開始され、6年間の準備機関を経て正式な裁判が始まった。
米企業モンサント(Monsanto)の弁護士は、「国家とその国民の命令に従った行為」だとして司法上の免責を主張した。これに対しブルドン弁護士は、「多国籍企業は政治的命令に従っただけで不可抗力であり責任を免れるとの主張がこれまで多く行われてきたが、時代遅れの弁明だ。法律は、政府から圧力を受けた民間人の行為責任を問う方向に発展している」と強調した。