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ホーチミン市に住むタイン・ロアンさん(女性・31歳)は10年以上前から悩まされてきた大きな胸から解放され、普通の生活が送れる幸せを噛みしめている。
ロアンさんは20歳の頃から急激に胸が成長し始めた。当初は豊満な胸を気に入っていたロアンさんだったが、後に胸が50cmもの長さになるとは思いもしなかった。2014年に乳腺肥大と診断され切除手術を受けたが、2019年に結婚するとロアンさんの胸は再び大きくなり始めた。2度目の手術を受けようとしたところ双子を妊娠していることが分かり、手術は出産後に延期された。
胸は日を追うごとに大きくなり身動きを取ることさえ難しくなってしまったロアンさんは、妊娠5か月で産休を取ることにした。妊娠40週を迎えるころには胸はさらに巨大化し、双子のいる大きなお腹を上回る大きさにまでなった。
産後は巨大化した胸のせいで体を動かすことが難しかったロアンさんに代わり、夫と姑が育児や家事を担った。胸で赤ちゃんを潰してしまうのではないかと、双子と一緒に寝ることもはばかられた。さらには産後特有の気分の落ち込みと巨大な胸がネックとなり、産後数か月にわたりロアンさんは家に閉じこもった。
ロアンさん夫妻は共に車のセールスをし、月の収入は2人合わせて1600万VND(約7万4000円)、ローンを組んで購入したマンションで暮らしていた。ロアンさんが休職し双子が誕生してからというもの、ローンとミルク代が夫妻に大きくのしかかった。
しかし、1億VND(約46万5000円)あればハノイ市で手術を受けられると聞いたロアンさんの夫は、何としてでもロアンさんを苦しみから抜け出させたいとマンションを売ることを決意した。
その後の手術で切除された胸の重量は4kgに及んだ。「夫に出会えたことは幸運だったと思っています。夫はいつも私を側で励ましてくれ、私の原動力になっています」とロアンさん。現在ロアンさん夫妻は賃貸住まいだ。賃貸住まいは大変なこともあるが、苦しかった日々は去り一からやり直すのだと語るロアンさんの瞳は幸せいっぱいだ。