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ハノイ市の国民経済大学(NEU)が先般発表した報告によると、ベトナムが2018年に被った大気汚染による損失額は約108億2000万~136億3000万USD(約1兆1700億~1兆4700億円)と推定され、国内総生産(GDP)の4.5~5.6%に相当する。
同年に約5万人が呼吸器疾患や心臓疾患など大気汚染を原因とする疾患で死亡した。大気汚染による損失額は、大気汚染に起因する死亡の予防・削減に向けた資金の支出を評価した上で算出したもの。
大気汚染の主な原因として、◇ベトナムの化石燃料に対する依存度が極めて高いこと、◇外資誘致に伴いベトナムが世界各国の汚染物輸出先となっていること、◇技術力が限られており付加価値が低く汚染度の高い産業の構成比率が大きいことが挙げられる。
大気汚染は年々悪化している。2019年は、大気汚染の程度を示す指標である大気質指数(AQI)が許容水準を上回った日数が前年と比べて増加し、同年12月には全ての観測所でAQIが紫色(200以上:極めて健康に良くない)を示した日もあった。