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英国で23日、ベルギーより到着した冷凍コンテナ内から39人の遺体が見つかった事件で、英国警察は28日までにベトナム人密航者とみられる犠牲者4人の資料をまとめてベトナム警察と共有した。
英国警察は当初、「39人の遺体はすべて中国人密航者とみられる」と発表していた。しかし、27日夕方までにベトナム北中部地方ゲアン省と同ハティン省の24世帯が「英国への密入国を試みた家族と突然連絡が取れなくなった。問題の冷凍コンテナ事件で被害に遭った可能性が高い」として、地元当局に届け出た。
ベトナム警察は、DNA鑑定のため、犠牲になったとみられるベトナム人密航者らの両親などの毛髪や爪のサンプルを採取した。DNA鑑定で血縁関係が証明されれば、犠牲者の身元確認が可能になる。
在英国ベトナム大使館は現在、現地警察と協力して情報を確認すると共に、犠牲者らの遺体の収容・搬送などの支援に向けて準備を進めている。
2018年12月には台湾でベトナム人観光客148人が行方をくらます事件が起きたほか、同月にベトナムの国会議長が韓国を訪問した際に政府専用機に同乗していたベトナム国籍の9人が失踪するなど、このところベトナムからの不法出国事件が相次いでいる。
これに先立つ今年8月6日にも観光ビザで入国したベトナム人女性(16歳)が英国・ヨーク市で失踪し、行方不明となってから6日後に警察に保護されるという出来事があった。英国では近年、人身売買の被害者のうち、ベトナム人がアルバニア人などと並んで出身国別で上位になっているという。