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ハノイ市南西部の広域で10日から水道水が悪臭を放ち生活用水として利用できない状態が続いている中、市当局は15日に水道水の成分検査の結果を発表した。
検査の結果によると、水道水中のスチレン濃度がベトナム基準「QCVN 01:2009/BYT」で規定する許容濃度(20mg/L)の1.3~3.7倍に達している。市は、「水道水の摂取は不可能だが、洗濯やシャワーを浴びるなどの目的には利用できる」とした。
問題の水道水は、ハノイ市南西部のホアンマイ区、タインスアン区、ハドン区、ナムトゥーリエム区などで水道水を独占的に供給しているソンダー水道[VCW](Viwasupco)が供給しているもので、「消毒剤のような臭いと燃えた電線のプラスチックのような臭い」がするという。
検査により、この悪臭の原因は芳香族炭化水素であるスチレンの臭いだということが判明した。スチレンは日本では一般に「都市ガスのような臭い」とされる。
ビワスプコはハノイ市に隣接する西北部地方ホアビン省を流れるダー川(song Da)を用いて水道水を生産している。同省の住民によると、キーソン郡フーミン村(xa phu Minh, huyen Ky Son)にある同社の浄水場周辺で8日夜に積載量2.5tのトラックが廃油を泉に違法投棄しているのが目撃されている。
今回水道水から検出されたスチレンは、浄水場周辺で違法投棄された廃油に含まれていたものと見られる。
ハノイ市民はここ数日の間水道水を利用できず、高額でボトル入りの飲料水を購入しなければならない状況だ。市の指示を受けて、ハノイ上水社(Hanoi Water)はタンクローリーによる水道水の無料供給を行っているが、供給が需要に対応しきれていないという。