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地場系大手食品メーカーでヌクマムの大量生産を手掛けるマサングループ[MSN](Masan Group)がヌクマム(Nuoc mam=魚醤)のベトナム基準草案の内容を操作した疑いに関連して、保健省もこれに関与していたことが関係者からの指摘で明るみに出た。
伝統製法でヌクマムを製造する全国の業者各社は、伝統製法によるヌクマムの持続的な成長を目指すべく2017年5月に「ベトナム伝統ヌクマム協会」の設立に向けてヌクマム事業分野を管轄する農業農村開発省の承認のもとで設立準備委員会を発足した。
この設立準備委員会はホーチミン市、フーコック島(メコンデルタ地方キエンザン省)、カインホア省(南中部沿岸地方)、ビントゥアン省(同)、タインホア省(北中部地方)のヌクマム業者を代表する企業各社、および食品・水産分野の科学者・専門家が含まれている。
「ベトナム伝統ヌクマム協会」設立準備委員会は2017年7月、内務省に設立申請書類を提出した。現行規定では30日間以内に受理するか否かについて回答することになっているが、9月と11月に公文書で打診しても回答がなかった。
しかし、同年8月に保健省の承認のもとで「ベトナムヌクマム協会」設立準備委員会が発足されていた。この設立準備委員会は、「ベトナム伝統ヌクマム協会」よりも後に設立申請書類を内務省へ提出したにもかかわらず、先に受理された。
旧水産省(現在の農業農村開発省)の元幹部でヌクマム専門家として知られるチャン・ティ・ズン博士によると、「ベトナムヌクマム協会」設立準備委員会のメンバーにはヌクマム製造を行っていないメーカーが含まれていた。さらに、ヌクマム事業分野は管轄外である機関が設立をバックアップすること自体が不適切と指摘されている。
しかしながら、相互の猛反発や事業および活動範囲、目的などの重複が原因で「ベトナム伝統ヌクマム協会」と「ベトナムヌクマム協会」の設立はいずれも実現に至っていない。