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保健省HIV/エイズ予防局が7日に発表した報告によると、これまでは年間3万人が新たにHIVに感染していたが、近年では年間1万人とHIV新規感染者数は減少傾向にあるという。しかし、感染経路は麻薬使用時の注射器が占める割合が減少傾向にある一方で、男性同性愛者間における性交渉による感染が増加している。
男性同性愛者数は15~49歳の男性人口の0.7%で、17万人に相当する。男性同性愛者間における性交渉によるHIV感染者数は2013年の4%から現在は12%に増加しており、年間に+2%ずつ増加していることになる。専門家らは男性同性愛者間における性交渉によるHIV感染の危険性を警告レベルと指摘している。
ハノイ市内で実施された研究によると、男性同性愛者800人分のの血液サンプル中で12%でHIV感染が確認された。また、感染者のうち37%が感染から6か月未満の新規感染者であるほか、感染者のうち50%以上が22歳以下だった。この結果から、男性同性愛者の新規感染率は平均より高く、平均より若い年齢で感染していることが明らかになった。
性交渉時のコンドーム使用率は売春婦で80%であるのに対して、男性同性愛者間では非常に低く、60%に満たない。
これまで国や自治体では注射針が誤って身体に刺さってしまった人やHIV感染者の血液に接触した人に対してのみHIV感染予防プログラムを実施してきた。しかし、ハノイ市とホーチミン市では男性同性愛者で性交渉をもつ人を対象にHIV予防プログラムを試験的に実施したところ高い成果が出ており、今後はより広く展開していく予定だ。
また、母子感染については2020年までに2%へと削減することが目標に掲げられている。2017年にHIV感染妊婦が出産した赤ちゃんは1828人。このうち99%の妊婦は抗レトロウイルス(ARV)療法を受けた。また、新生児の100%が早期にHIV感染状況の診断を受けた。しかしHIV検査を受ける妊婦は妊婦全体の50%にとどまっている。