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夏を目前に控えたホーチミン市では、日本製中古エアコンの売れ行きが好調だ。10区のニャットタオ市場で日本製中古品を販売する男性は、600万~800万VND(約2万9000~3万8600円)の日本製中古エアコンを1日平均で5~7台、多い日には10台ほど売っている。
ある女性は自宅用にと家電量販店でエアコンを探していたが、日本製の中古エアコンを使って2年になる友人から、日本製の中古の方が安く丈夫だと聞いて購入を検討中だ。これまでに炊飯器、扇風機と日本製の中古品を購入しとても良かったという男性は、自宅のエアコンが故障したばかりで日本製の中古エアコンに買い替えることに決めたという。
ここでいう日本製中古エアコンは、日本国内向けに生産販売されたもので、日本で一定期間使用された後にベトナムへ輸入、転売されており、販売者は「丈夫で省エネルギー」を売り文句にしている。日本製中古エアコンはシャープ、パナソニック、ダイキン、東芝、富士通などの製品で、価格は馬力や製品の状態、インバーターの有無や使用するガスの種類によって変わる。
機能が少なくインバーターがないもので200万~300万VND(約9700~1万4500円)、インバーター付きで製造年が最近のものだと600万~1000万VND(約2万9000~4万8300円)に上がる。保証期間は3か月から1年。
最近はインバーター付きのほか、プラズマクラスターによりイオンを放出する空気清浄機能付きのものや従来のガスに比べて環境に優しいR410Aを使用するものなど多機能のエアコンがベトナムの電器量販店でも購入できるが、同等の機能で日本製の中古品だと購入価格を3分の2から半分にまで抑えられる。
しかし、日本製中古エアコンを使いこなすのに一苦労するのが、本体やリモコンなどの表記が全て日本語であるという点だ。購入者は翻訳アプリなどを駆使してエアコンの機能などを解読しなければならない。また、日本では110Vを使用するのに対してベトナムでは220Vを使用するため電圧にも注意が必要だ。なかにはエアコンにサービスで変圧器を付けてくれる業者もあるが、ほとんどの場合は自分で購入しなければならず、却って費用がかさんでしまうこともある。
ある男性は運悪く状態が良くない中古品に当たってしまい、購入して半年後には空調が正常に保たれなくなり修理に出したが、部品取り寄せに1か月も待たされているという。
日本製中古家電の販売事情に詳しい男性によれば、市場で販売されている日本製中古家電は酷使されたものも多い。表面は磨かれ新品同様に見えても内部の機械や部品に劣化や不具合が生じている場合や、中国製部品に取り換えられている場合もあり、稼働効率が悪く電力を浪費することもあるという。このため、購入する際には慎重に製品を見極める必要があると指摘する。