ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

ビンディン省:800年前のチャンパ陶磁の窯址4基を発掘

2015/01/24 05:45 JST配信
(C) vnexpress 検出された窯址遺構
(C) vnexpress 検出された窯址遺構 写真の拡大.
(C) vnexpress 出土した陶磁器
(C) vnexpress 出土した陶磁器 写真の拡大
(C) vnexpress 出土した瓦
(C) vnexpress 出土した瓦 写真の拡大

 南中部沿岸地方ビンディン省アンニョン町ニョンロック村のチュオンクー地域における考古学発掘調査で、チャンパ王国時代の陶磁器の窯址4基が発見された。この窯址群の年代は800年前ごろ(13世紀ごろ)と見られている。

 ビンディン省博物館とベトナム社会科学研究所の都城研究センターは2014年12月、同村のチュオンクー地域で約20日間にわたり発掘調査を実施。同省博物館のディン・バー・ホア館長が22日に報告したところによると、計200m2の発掘坑から13世紀ごろに属する窯址の遺構が少なくとも4基、互いに重なり合った状態で検出されたという。

 また、窯址の遺構のほか、坏・碗・皿・瓶・甕などいずれも釉薬の掛かった陶磁器や、建築用の瓦などの遺物が発見されている。

 「チュオンクー」は同地域を流れるコン川沿いにある丘の名で、今回発掘された窯址群はこの丘の上に位置する。表土に多数の陶磁器片や土器片、窯の壁などが露出しており、4基の窯址が埋まった遺跡として以前から認知されていたが、発掘調査は行われていなかった。

 チャンパ王国は、2世紀から15世紀後半ごろまでベトナム中~南部の沿岸地方に存在したベトナムの初期国家。南中部沿岸地方ダナン市や同クアンナム省の地域は同王国の初期の中心地であり、聖地ミーソン・港市ホイアン・王都チャーキエウの3か所を中心として栄えたとされる。後に中心地は南中部沿岸地方クアンガイ省及びビンディン省の地域へ移った。

 なお、ビンディン省にはかつてチャンパ陶磁の大規模な陶磁生産工房が6か所ほど存在していた。特にアンニョン町ニョンホア村のゴーサイン窯址群及びタイソン郡タイビン村のゴーホイ窯址群がよく知られており、日本人研究者らも発掘調査に参加していた。

 同省の窯址群はいずれも小高い丘の上、また川のすぐ近くに築かれ、陶磁器だけでなく瓦などの建築材も生産していた。これらの地域は陶磁器生産に適した地形や天候のほか、陶磁器を生産するための良質な粘土の入手、また製品を広く流通させるための便利な水路交通網といった条件が揃っていたことから、大規模なチャンパ陶磁の生産工房として発展したものと考えられている。

[Tri Tin, VNExpress, 22/1/2015 | 12:36 GMT+7, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
クオン国家主席、訪越のベルギー国王陛下と会見 (6:30)

 ルオン・クオン国家主席は国家主席府で1日午前、ベトナムを公式訪問中のベルギーのフィリップ国王陛下と会見した。フィリップ国王陛下は3月31日から4月4日までの日程でベトナムに滞在している。  両国が197...

はしかの再流行に警戒、ワクチン接種率低下が原因か (6:06)

 保健省によると、今年に入ってから麻疹(はしか)の流行が始まり、これまでに4万2000人以上の感染疑いが報告され、6人の死亡が確認された。  感染者の大半は生後9か月から15歳未満の子供で、その多くがワクチ...

ビンファスト、電動の軽トラックとミニバスをお披露目へ (5:39)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)は、年内に電動軽トラックと電動ミニバスをお披露目する予

ホーチミン、花の少ない13本の「花通り」 (3/30)

 ホーチミン市フーニュアン区のファンシックロン(Phan Xich Long)通りの周辺には、全長1kmにも満たない13本の通りが集まっている。これらの通りは様々な種類の花の名前にちなんで名付けられており、碁盤の目のよ...

ダナン博物館、ハン川沿いに移転オープン (5:01)

 南中部沿岸地方ダナン市人民委員会は3月28日、バクダン(Bach Dang)通り42番地の施設改修・拡張による「ダナン博物館」整備プロジェクトの落成式を開催した。    投資総額は5040億VND(約29億3000万円)...

JICAとATグループ、ベトナムで自動車整備人財育成事業を開始 (4:20)

 国際協力機構(JICA)中部と株式会社ATグループ(愛知県名古屋市)は3月28日、JICA草の根技術協力事業「ベトナム国自動車整備人財育成プロジェクト(草の根協力支援型)」に係る契約を締結した。  近年、ベトナム...

ENEOS Xplora、ベトナム沖15-2鉱区の新たな生産分与契約締結 (3:05)

 ENEOS Xplora株式会社(東京都千代田区、旧社名:JX石油開発株式会社)は3月25日、同社が100%出資する日本ベトナム石油株式会社(東京都千代田区)を通じて操業主体(オペレーター)を務めるベトナム沖15-2鉱区にお...

3月製造業景況感PMI、4か月ぶり50超え (2:49)

 米国のS&Pグローバル(S&P Global)が先般発表した2025年3月のベトナム・PMI(製造業購買担当者指数)は50.5となり、前月の49.8から+0.7ポイント上昇した。  PMIは、50を判断の分かれ目としてこの水準を上回る...

過去1世紀にベトナムで発生した地震、最大はM6.8 (1日)

 ベトナムは、日本やインドネシアのような環太平洋火山帯に位置する国々と比べて、地震発生のリスクは低いとされている。ただし、ディエンビエン・ムオンライ断層帯やソンマー・トゥアンザオ・ライチャウ断層帯...

FPT傘下企業、ハノイに半導体インキュベーションセンター開設 (1日)

 ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)傘下のFPTソフトウェア(FPT Software)の半導体チップ製造子会社FPTセミコンダクター(FPT Semiconductor)はハノイ市で28日、計画

南北高速鉄道プロジェクト、26年12月着工目指す チン首相 (1日)

 ファム・ミン・チン首相は29日、鉄道分野の国家重点プロジェクト指導委員会の会議を主宰した。首相はこの席で、鉄道産業における技術習得やエコシステム構築の重要性を改めて主張し、特に南北高速鉄道プロジェ...

ベトナム観光協会、韓国事務所を開設 持続的な観光客誘致へ (1日)

 ベトナム観光協会(VITA)は、持続的な韓国人観光客誘致を目的として、4月中に韓国のソウル市に韓国事務所を開設する。  韓国事務所では、韓国の旅行業界に向けてベトナム観光に関する最新情報を提供するほか...

ベトジェットエア、ドンホイ~台北間のチャーター便を就航 (1日)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は31日、北中部地方クアンビン省のドンホイ空港と台湾桃園国際空港(台北)を結ぶ国際チャーター便を就航した。

中国の厦門航空、福州~ハノイ線を就航 (1日)

 中国の厦門航空(Xiamen Airlines)は30日、中国・福建省福州市とハノイ市を結ぶ新路線を就航した。  新路線は週4便(月・水・金・日)の往復便で運航する。飛行時間は1時間35分。機材はボーイング737-800型機...

世界長者番付、ビンG会長が300ランクアップでトップ500入り (1日)

 米経済誌フォーブス(Forbes)が30日に発表した最新の世界長者番付によると、ベトナムから5人がランクインした。詳細は以下の通り。 ◇411位:コングロマリット(複合企業)

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved