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阮朝(グエン朝)の第10代皇帝タインタイ(成泰)帝(在位:1889~1907年)の母親であるトゥーミン(慈明)皇太后が使用していた日本式人力車がフランスで競売にかけられ、ベトナムが落札に成功した。
タインタイ帝が1907年に退位させられた際に、近衛隊指揮官のプロスパー・ジュルダン(Prosper Jourdan)氏の家族に譲渡された。その後ジュルダン氏の家族が大切に保管していたが、2014年6月に競売にかけられ、ベトナムが5万5800EUR(約773万円)で落札した。
北中部トゥアティエンフエ省人民委員会が4万2800EUR(約593万円)を拠出し、残りはフランス在住の越僑や国内の組織・個人の寄付金で賄った。
在仏ベトナム大使館によると、アジアの遺物や美術品を専門に収集するフランスのギメ東洋美術館がこの落札に対し、「フランス政府に優先的に購入する権利がある」とクレームを付けたが、交渉の結果、フランスがベトナムに購入権を譲ることに同意した。
人力車は現在、在仏ベトナム大使館にあるが、まもなくベトナムに運ばれて博物館に展示される予定になっている。