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西北部ディエンビエン省ナムポー郡ナヒ村のサムラン地区は、村の中心から18キロも離れた山の中にある。サムラン幼稚園で教える教員達は、子供達のために文字通り「命がけ」で山道を通っている。
女性教員トン・ティ・ミンさんは、天気が良ければ川を渡るのは何でもないと笑った後、いったん雨が降って増水した時にどうやって渡っているかを携帯電話の動画で見せてくれた。そこで見た光景は、世界でも恐らくここだけでしかしていないような奇妙で恐ろしい方法だった。
流れの速い川の向こうで、大人の女性が大きなビニール袋にしゃがみ込むと、地元の泳ぎの得意な青年がビニール袋の口をつかんで引っ張りながら泳いでこちらに渡って来る。もし青年の手がすべったら、もし袋が破れたら、もし息が詰まってもがいたら……と悪い想像が浮かぶが、女性はこちらの岸に無事到着した。
増水した川では橋が水に浸かってしまって使えない。ミンさんは「最初は怖かったけれど今は慣れました。渡る方法はこれしかありませんから」と話す。この地区では、子供達も危険なこの方法で川を渡っている。なお、この恐怖の通学路のニュースは地元メディアでも大きく報じられたため、地元交通運輸局は現在、橋の建設を検討しているという。