大学入試準備の授業を受講するために地方からハノイ市に出てきた生徒らの中には、うだるような夏の暑さの中、受験勉強をあきらめて故郷の村に帰る者が多いという。
北部ニンビン省から来たホンさんは6月7日にハノイに来たが、いまだに借りる部屋が見つからない。仕方なく10平米の部屋を他の3人とシェアしているため、落ち着いて勉強するスペースがないという。ホンさんは1週間以上歩き回って部屋探し。よさそうな部屋は家賃が高すぎ、安い部屋はとても住めそうにないという。「入試準備のためにハノイに出てきた。でも部屋探しに時間がかかり過ぎて、今のところ受講した授業はわずか3こま。それにここは暑すぎる。定期的に停電もある。受験勉強の時間の半分を無駄にしている」と彼女は語り、帰郷する準備をしているという。
北部フンイエン省のグエン・フー・マインさんは、ハノイ大学入試準備センター近くに住む親せきがいるため、まだ恵まれている。しかしマインさんは、午前中は2こま、午後も3こまの授業があるなど過密なスケジュールのせいで疲れているという。「僕は93万ドン(約5000円)で60こまの授業に出る受講チケットを購入した。でもわずか5日ですっかり疲れてしまった」と語り、入試準備のための時間を削る予定だという。
ある入試準備センターでは今月初めは大変混雑していたが、故郷の村に帰る生徒が多いため、今ではかなり静かになっている。教官の1人は「数学のクラスは当初70人の生徒がいたが、今は50人に減少。コースの受講料を前もって全額払った生徒ですら、コースに出なくなっている」と述べた。