北部フンイエン省でこのほど、親子と見られる46歳と18歳の女性2人が首を絞められて死亡しているのが発見された。
地元警察は様々な証拠から第一発見者で被害者の夫であるクアンを容疑者として緊急逮捕した。当初同容疑者は容疑を否認し、さらに取り調べ中に自殺も図る暴挙にも出ていた。
その後、クアン容疑者は自供を始めたが、犯行の背景には、同容疑者自身が招いた事実上の離婚状態とも呼べる複雑な家庭環境があることが分かった。
供述によると、1991年の結婚以来、同容疑者がまともに家庭生活を送っていたのは最初の3年間だけで、その後は出稼ぎに行ったり、賭博に夢中になって遊び仲間と飲み歩いたりで同居すらせず妻子を省みることはなかったという。
ところが、最近になって家族を取り戻したいという思いの強くなったクアン容疑者は、妻のもとを訪れ復縁を迫った。しかし、これを拒絶されため、同容疑者は妻を絞殺、自分もあらかじめ用意していた殺鼠剤10包を飲んで無理心中を企てた。
その後、自身の死を予感した同容疑者は最期に一目と娘の寝顔を見に行ったが、両親がこのような形で死んで一人残されるのは不憫だと娘の首にも手をかけたという。
結局、同容疑者は意識を失っただけで、自殺に失敗し、朝になって目覚めると命が惜しくなって、発見者を装い通報した「どうしようもない奴」だった、というのが今回の事件の顛末である。