北部フート省資源環境局と同省環境警察の調査団はこのほど、同省ベトチー市でうま味調味料を製造している韓国系味元(Miwon)の排水処理状況を抜き打ち検査した。その結果、同社が未処理排水をホン川(紅河)に垂れ流している実態が明らかになった。「第2のベダン」事件とみられている。
同社による排水垂れ流しは1996年ごろから行われており、排水が川に流れ込む地点の周辺には異臭が立ち込めている。近隣住民はこれまで10回以上省の環境当局に現状を訴えてきたが、具体的な対応が取られたことはなかった。同社は排水の垂れ流しについては認めているものの、「2007年11月に導入した排水処理システムがまだ試験段階で、本格稼動していないため」とその理由を釈明している。
同社の提出した報告書によると、ホン川に排出している未処理排水は1日当たり150立方メートルとなっている。しかし環境警察によると、同社工場の生産能力に基づいて計算するとこの数字は900立方メートルに達する可能性があるため、環境当局による再確認が必要だという。また環境警察が同社の検査に加わったのは今回が初めてだが、今年7月に資源環境省環境保護局が単独で行った調査では、違反行為に対する処分として罰金わずか20万ドン(約1300円)で済ませていることが分かっている。