最近、東南部地方ドンナイ省の各地に「万能薬」を売るグループが出没して話題になっている。同省のスアンタン村に住むダンさん(70歳)は、知り合いからこの薬を買って飲んだところ、頭痛が治ったので自分でも売り始めたという。1セット20万ドン(約1500円)のこの薬のパッケージには、不眠・高血圧・婦人病・腫瘍(しゅよう)などさまざまな病気に対する効能がうたわれている。
ところが、実際にこの薬を飲んだ人の中には、逆に体の不調を訴える人も出てきている。急激な体重の減少で糖尿病かと悩んでいたゾーさんという男性は、この薬を飲み出して4~5キロほど体重が回復したが、飲むのを止めるや否や再び体重が減少し始め、さらに不眠に苦しむようになったという。このように、飲んでいる間は体調が良くなったように感じるが、飲むのを止めると不眠と症状の悪化に悩まされるというのがこの薬の特徴だ。
医師によると、この薬は密輸品で国内での販売は許可されていないという。また、薬の成分は解明されていないものの、短期間に体重の著しい増減が起こるというのは極めて危険な症状だとして、医師からはこの薬に対する警戒の声が上がっている。