タインホア省のカムトゥイ郡では人身売買が大きな社会問題となっている。典型的な人買いは現金収入を必要としている貧しい農家の若い女性に目を付け、家族に仕送りのできる条件のいい仕事を斡旋すると言葉巧みに誘い出し、実際は一人当たり800万ドン~1200万ドン(約5~7万円)で売春宿に売り飛ばすというものである。さらに最近では困窮のあまり、親が子供を売るような身内による人身売買も行われている。
これまでに郡全体の被害者総数は197人にも上る。郡人民委員会のミン委員長は「人買いのやり口は日に日に巧妙になっていっている。人買い業者が住民に接触するのを未然に防ぐよう警戒を強めなければならない。」と言う。また、あるアンケート調査で明らかになったように、農業の生産性の低さを嫌って出稼ぎに活路を見出す雰囲気が、人身売買のブローカーが暗躍する条件を作り出しやすいため、この問題について行政が主導を取って地域全体に注意喚起を促すことが求められている。