(C) tuoitre 写真の拡大. |
南部メコンデルタ地方カントー市カイラン区(quan Cai Rang)警察は5日、フンフー街区(phuong Hung Phu)にあるマンションの一室の立ち入り検査を実施し、人形に精霊が宿るというタイの呪物「クマントーン(Kumanthong)」そっくりの人形71体を発見・押収した。
部屋の住人のタイ・ティ・イエン・ニーさん(女性・24歳)は、ここでドールショップを運営している。ニーさんは立ち入り検査で、人形の出所を証明するインボイスなどの合法的な書類を提示できなかった。
このところ、ベトナム国内でクマントーンを悪用した迷信が流行している。4月30日には、クマントーンを題材としたビクター・ブー(Victor Vu)監督のベトナム映画「The Guardian(原題:Thien Than Ho Menh)」が公開される予定だ。また、2019年にもクマントーンが題材のベトナム映画「Kumanthong(原題:That Son Tam Linh)」が公開され、話題となった。
さらに、2月末にはベトナムの有名ユーチューバー(YouTuber)が「学力向上が叶うおまじない」としてクマントーンの人形に飲み物を飲ませるという内容の動画を投稿。動画を視聴した保護者たちから批判が相次ぎ、騒ぎが大きくなったため、警察などの当局が調査に乗り出す事態に至った。
なお、これに便乗し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などでクマントーンに関する作り話を流布し、クマントーンの人形を数百万VND(100万VND=約4800円)で売り付けるといったケースも発生している。
クマントーンは、本来は死産した胎児をミイラにして金箔を貼った呪物のことで、子供の霊が宿り、災いなどから身を守ってくれる幸運のお守りとされる。ミイラの代わりに胎児や幼児を模した人形を利用し、タイでは人気が高い。