(C)Tuoi Tre,フエ死刑囚(中央) 写真の拡大. |
東北部地方クアンニン省の刑務所で麻薬売買の罪により服役中の死刑囚が妊娠した事件で、グエン・ティ・フエ死刑囚(42歳)が2016年5月4日に男児を出産した。関係者の供述とDNA鑑定結果から、男児の父親はフエ死刑囚と同じ刑務所で服役中のグエン・トゥアン・フン受刑者(27歳)であることが明らかになった。
フン受刑者は窃盗罪により懲役30か月の服役中で、フエ死刑囚に精子提供の話を持ち掛けられ2回にわたり精子を注入したアンプル(液体薬の入ったガラス製筒状容器)を提供。妊娠したフエ死刑囚から成功報酬として5000万VND(約23万円)を受け取っていた。
クアンニン省警察によると、フエ死刑囚は事件発生当時、C5棟にある懲罰房に拘置されていたが、懲罰房には防犯カメラがなく看守も配置されていなかった。トイレのため懲罰房から外へ出た際に、外壁と有刺鉄線の間に1cm程の隙間を発見したフエ死刑囚は、この隙間を精子の取引場所に利用することを企てたという。
クアンニン省警察はトゥオイチェー紙の取材に対し、フエ死刑囚を担当していた看守4人の処分は既に決定したが、具体的な処分内容については警察内部の問題だとして明言を避けた。精子の受け渡しに看守が関与しているかどうかについては同省人民検察院が現在捜査中だ。
ハノイ市弁護団のレ・バン・ギア弁護士によると、死刑判決が下された女性被告人が妊娠中または生後36か月以下の乳幼児を養育している場合は死刑を適用せず終身刑に減刑される。これにより刑執行を待つ間に妊娠したフエ死刑囚も終身刑に減刑されることになる。一方で、フン受刑者の精子提供については規定や罰則がまだないという。