ハノイ市に住む女性が虚偽の申請をして不正に保険金を受け取ろうともくろみ、人を雇って自分の手足を切断させるという出来事が起きた。警察の発表で明らかになった。
バックトゥーリエム区警察は5月4日深夜、同区を通過する線路で女性が鉄道にひかれて負傷したとの通報を受けた。警察は現場に駆けつけ、重傷を負ったLさん(30歳、フックト郡在住)を病院に救急搬送した。
Lさんは左手と左足の3分の1を切断された状態で入院し、手足の接合手術を受けたが、壊死していたため切断を余儀なくされた。しかし、Lさんをひいたと見られる鉄道車両を検査した結果、血痕は発見されず、現場でも衝突した痕跡が確認できなかった。
Lさんの傷口が刃物によるものだったこと、また本人が警察の事情聴取に対し矛盾した内容を話したことに目をつけた警察は、更なる捜査を実施。Lさんが事故発生日の2か月前に複数の生命保険に入っていたことを確認した。契約によると、事故に遭った場合は合わせて約40億VND(約1800万円)を受け取ることになっていた。
Lさんは多額の借金を抱えており、その返済のために5000万VND(約22万5000円)の報酬を支払って知人の男性に自分の手足を切断するよう依頼したことを認めた。なお、Lさんはまだ保険金を受け取っていなかったため、警察は刑事事件として立件しないことを明らかにした。