(C) dantri, 廃品回収を続けるホンさん 写真の拡大. |
(C) dantri, 新たに借りた部屋 写真の拡大 |
ホーチミン市タンビン区で廃品回収をしているグエン・ティ・アイン・ホンさん(女性・36歳)が、10万VND(約538円)で買い取った中古スピーカーの中から500万円以上の日本紙幣を発見した事件で、このほど日本の銀行が損傷した1万円札116枚の両替に同意した。日本で両替の後、1か月以内にホンさんへ送金される見通し。
発見から1年以上が経過した6月2日、タンビン区警察は持ち主不明として拾い主のホンさんに1万円札524枚を返却。しかし、うち116枚は損傷しており両替できなかったため、一時的に銀行が保管することになった。ホンさんは、残る408枚のうち8枚を記念に保存し、400枚をベトナムドンに両替して現金約6億9100万VND(当時)を受け取った。
500万円以上の大金を手にしてから約4か月。ホンさんの生活は以前よりも安定したという。ホンさん夫婦は、家計が苦しく幼い子供2人を田舎の両親に預けて出稼ぎをしていたが、今回の事件を機に新しく部屋を借り、子供たちをホーチミン市に呼び寄せて一家4人で暮らし始めた。
ホンさんは、慈善活動や親戚への仕送り、田舎の実家の建て直しなどで約2億VND(約108万円)を使ったという。残りの数億VNDは、今後の子供の教育に使うため銀行に預金している。大金を手にした後も、夫婦は変わらず廃品回収とビニール袋の分類の仕事で収入を得ている。
2014年3月、ホンさんは前年末に買い取った中古スピーカーの中から大量の日本紙幣を発見し、落し物として警察に届け出た。届け出た日から1年が過ぎても持ち主が見つからなかったため、法律にしたがい拾い主のホンさんに所有権が移ることになった。