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血液凝固障害を発症したため、ある男性患者がハノイ市の中央血液輸血病院で30か月にわたり治療を受けた。長い治療の末ようやく完治したが、驚いたことに原因は「犬肉を食べたことによる殺鼠剤中毒」だった。同患者が主治医へ語ったところによると、犬肉を食べた後、体中に皮下出血が現れるようになったという。
国内で流通している殺鼠剤には血液凝固障害を引き起こす成分が含まれており、犬が殺鼠剤か、殺鼠剤を食べたネズミを食べ、更に同患者がその犬肉を食べたことにより、同成分を間接的に摂取してしまったものと見られている。
人間が毒性のある殺鼠剤を摂取すると、血液が固まりにくくなり、アザなどの症状が現れる。重症になると、血尿や胃腸からの出血に至るという。
なお、一般的に血液凝固障害は先天性のものだが、回虫の寄生や同障害を引き起こす成分が含まれる化学物質の摂取などにより、後天的に発症することもある。また、全国で血液凝固障害の患者は約5000人いるが、このうち診断・治療を受けている患者は全体の約16%に当たる800人程度に留まっている。