北中部タインホア省で10月31日、交通事故で19歳の娘を失った家族が娘の遺体を入れた棺桶を同省タックタイン郡警察署に持ち込むという出来事があった。家族は娘が死亡したのは警察に追跡され事故に遭ったため、と警察側の責任を問う構えだ。
亡くなったのはファム・ティ・フオンさん。タックタイン郡内をバイクで走行中、スピードを出し過ぎてカーブを曲がりきれず歩道の電柱に激突した。目撃者によると、フオンさんは2人の交通警察官に追跡されていたという。追跡していた警官らは、フオンさんが事故に遭ったのを見て直ぐその場を去ったという。フオンさんは病院に救急搬送されたが息を引き取った。
家族によると、フオンさんは運転免許証を取得していなかったため、以前から警察に神経質になっていたという。家族は事故を引き起こしたのは警察の追跡が原因だとして、詳細な捜査を求めている。同日、数百人の地元民が警察署に集まったため、タインホア省警察が警察官数十人を派遣して事態を収拾した。
予備捜査によると、2人の警官はヘルメットを着用していない別のバイクを追跡中だったが、フオンさんは自分が追跡されていると思ったのではないかという。しかし、フオンさんが電柱に激突したのを見た直後に警官らがその場を去った理由は明らかにされていない。