ホーチミン市ビンタン区ビンロック工業団地にあるドンズオン鉄鋼社は22日、同社社員が約1億ドン(約50万円)を持ち逃げしたとの被害届を警察に提出した。それによると、同社は今月14日にリー・フー・ロンという名前の社員を営業社員として採用した。選考の際にロンから提出された各種書類(大学の卒業証明書・成績証明書、司法履歴、英語能力証明書、IDカードなど)は原本同様で、公印も押されていたという。
ところが18日に同社が鉄鋼製品を出荷する際、ロンは社長から集金を頼まれたとうそをついて取引先に同行し、代金1億ドンを受け取ると他の社員の隙を付いて行方をくらましてしまった。その後、同社がロンの書類を改めて調べたところ、名前や住所をはじめすべて偽造されたものだったことが分かった。会社にはロンが通勤に使用していたバイクだけが残った。
警察は「書類の偽造技術が著しく向上しているため、見た目では本物かどうかの判断が難しい。社員を雇う際には実際に書類の発行機関に出向くなどして確認を取る必要がある」と警告している。