南中部クアンナム省タンビン郡のビンディンとビンチの両村では、金採掘に従事していた労働者約60人が「奇病」にかかり、このうちすでに8人が死亡するという異常事態が発生している。これらの患者に共通の症状は、呼吸困難、せきに伴う大量の喀血(かっけつ)、食欲不振、急激な体重減少など。近隣の総合病院では結核やHIV感染を疑って検査や治療を行ったが症状に回復はみられず、何の病気なのかまだ判明していないのが現状だ。
最近亡くなったばかりのビンチ村の男性ファン・バン・ズンさん(35歳)の家族によると、ズンさんは1年近く治療を受けていたが、症状は悪くなるばかりだったという。現在も多くの患者がクアンナム省のファムゴックタック結核病院に入院しているが、病名さえ分からずお手上げ状態にある。
同病院のチャン・ゴック・ファップ院長は9日、入院していた奇病患者に治療効果がみられないため帰宅させたところ、次々に亡くなったことを認めた。ファップ院長はこの奇病の原因について、金採掘現場で何らかの化学物質の中毒になったのではないかとの見方を示している。