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- 包括的・戦略的パートナーシップ構築
- 国家主席のフランス公式訪問は22年ぶり
- フランスが強みを持つ分野での協力を強化
第19回フランコフォニーサミットへの出席に併せて3日から7日までの日程でフランスを公式訪問したトー・ラム書記長 兼 国家主席はパリ現地時間7日、エマニュエル・マクロン大統領との首脳会談に臨んだ。両首脳は会談後、両国間の包括的・戦略的パートナーシップの構築に関する共同声明を採択した。
マクロン大統領は会談で、今回、ベトナムの国家元首である国家主席が22年ぶりにフランス公式訪問を果たしたことについて、両国関係のマイルストーンであるとした。
一方のラム書記長は、ディエンビエンフー戦勝記念日70周年(1954年5月7日~2024年5月7日)に、かつてはベトナムの敵国だったフランスからセバスティアン・ルコルニュ軍事相が同国の国防相として初めて記念日の式典に出席したことを評価し、これは歴史を尊重する精神と共通の未来へのコミットメントを示す証であるとの認識を示した。
双方は、新情勢において両国間協力を一層深化させ、より実践的なものとするよう、主要な方向性と措置について話し合い、党、国家、政府、国会を含むあらゆるレベルの訪問や交流を強化することで合意した。
双方は、国防・安全保障協力を両国間協力の主要な柱と位置付け、既存の協力合意を効果的に実施すること、両国間国防戦略協力対話を開催すること、軍人訓練で協力すること、犯罪取り締まりの経験を共有することのほか、世界と地域の国防・安全保障フォーラムで相互支援することで一致した。
経済・貿易協力について、両首脳は、ベトナムに対する優遇融資と政府開発援助(ODA)を引き続き推進し、企業がベトナムEU自由貿易協定(EVFTA)の恩恵を効率的に利用できるよう促進することを約束した。
ラム書記長はフランス側に対し、ベトナムEU投資保護協定(EVIPA)の早期批准を要請すると共に、違法・無報告・無規制漁業(IUU漁業)規制に違反しているとして欧州連合(EU)が2017年からベトナムに出している警告措置(イエローカード)を早期に解除するようEUに働きかけて欲しいと述べた。
両首脳は、インフラ、航空宇宙、科学技術、再生可能エネルギー、水素エネルギーなど、協力の余地が大きく、なおかつフランスが強みを持つ分野での協力を強化することで一致した。
ラム書記長のフランス公式訪問を機に、外交や文化、教育、交通運輸、内政など多岐にわたる分野に関する両国省庁や地方自治体間で複数の協力文書が締結された。
なお、今回の共同声明採択により、フランスは欧州連合(EU)加盟国の中でベトナムと包括的・戦略的パートナーシップを構築した最初の国となった。2024年10月8日現在、ベトナムと包括的・戦略的パートナーシップを結んでいる国は、◇中国(2008年)、◇ロシア(2012年)、◇インド(2016年)、◇韓国(2022年)、◇米国(2023年9月)、◇日本(2023年11月)、◇オーストラリア(2024年3月)、◇フランス(2024年10月)の8か国となっている。