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- 26年成長率は+6.5%の見込み
- 24年の+7.1%からはやや減速
- 相互関税など外的要因の影響大きい
アジア開発銀行(ADB)は、先般発表した最新レポートの中で、2025年のベトナムの国内総生産(GDP)成長率予想を前回と同じ+6.6%で据え置いた。2026年の成長率については+6.5%と見込んでいる。これにより、2024年の+7.1%からはやや減速する見通しとなった。
ベトナム経済に対してADBは前向きな見方を維持しているものの、米国による新たな相互関税措置や地政学的リスクなど、外的要因が成長に与える影響が大きいことを指摘。輸出への依存度が高いベトナムにとって、これらのリスクは無視できないと強調している。
ADBのエコノミストは、「2024年の経済成長は、力強い貿易の拡大、輸出型製造業の回復、高水準の海外直接投資(FDI)によって後押しされた。しかし、世界的な不確実性や貿易摩擦、ロシア・ウクライナ戦争、中東情勢、そして米中経済の減速などが、今後のベトナム経済に悪影響を及ぼす可能性がある」と述べた。
今後の持続的な発展に向けては、グローバルサプライチェーンへの参加拡大と付加価値の向上が重要な課題とされている。制度改革を迅速かつ効果的に進めることで、内需を刺激し、持続可能な成長の基盤を築くことができると期待されている。
政府は2025年のGDP成長率目標を+8.0%以上としており、実現に向けて公共投資額を当初の270億USD(約3兆9400億円)から360億USD(約5兆3000億円)へと大幅に増額している。しかし、ADBのエコノミストは「その実行の確実性が課題だ」と指摘した。
なお、2025年3月末時点での公共投資の実行率は約13.0%にとどまっている。