![]() (C) kinhtechungkhoan ![]() |
- 海外投資家の出資比率を制限せず
- 米スペースXに便宜を図る措置
- スペースX、ベトナムに15億USDの投資計画
国会が19日に採択した、科学技術の発展、イノベーション、デジタル変革を促進するための特別制度を試験的に導入する決議によると、低軌道衛星通信の試験導入について、海外投資家の出資比率を制限せず、事業投資を試験的に認可することとしている。
この規制緩和措置は、ベトナムで衛星インターネットアクセスサービス「スターリンク(Starlink)」の提供を計画している、米国の航空宇宙メーカーであるスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX=SpaceX)に便宜を図るためのものとみられる。
スペースXのグローバルビジネス担当上級副会長のティム・ヒューズ氏は、2024年9月に訪米したトー・ラム書記長 兼 国家主席(当時)との会見で、ベトナムは同社の衛星インターネットアクセスサービス開発計画において重要な潜在的市場であると評価し、近い将来、ベトナムに15億USD(約2270億円)を投資する計画があると述べた。
ヒューズ氏は翌10月にベトナムを訪問してファム・ミン・チン首相と会見し、事業促進に努めた。チン首相はこの席で、技術移転や人材育成、地場企業との協力強化などでベトナムを支援するよう同社に求めた。
スペースXは、衛星インターネットアクセスサービス業界をリードする企業で、すでに110以上の国・地域でサービスを提供している。同業界の企業は、海外展開の際に全額出資子会社による投資モデルを採用するケースが多い。東南アジア諸国連合(ASEAN)地域では、マレーシア、フィリピン、インドネシアなどがすでに100%外資による低軌道衛星通信事業への投資を認可している。
なお、スペースXの複数のサプライヤーが、地政学的リスクから新規注文の製造拠点を台湾からほかの国に移管する動きがあり、ベトナムもこの恩恵を享受すると見られている。製造拠点の移管は、スペースXの要望によるものとされる。